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早稲田松竹にて「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」を観る


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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件の公式YouTubeより


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「この世界は僕が照らして見せる!」これが主題。

今週のお題」名作

 

GWに入って、私のお気に入りのミニシアターのホームページで、

 

このエドワード・ヤン監督の「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」が

 

ニューヨークタイムズの「人生の一日を費やすに値する3時間56分だ。」という映画の紹介を見た。

 

もう、見に行くしかないだろう。衝動的に見たくなって出かけたが、

 

まさかの4時間弱。(いや、映画の紹介に3時間56分と書いてた、、)

 

長すぎるのと、画面が暗いシーンが多くて(それが効果的ではあるんだけど)、ついこっくりと眠ってしまったり、時計をちらちら見たり、、そしてとうとう3時間で映画館を出てしまったのだ!!(なんと!)映画を観るのも体力が必要ということだ。

 

しかし、最後が気になってのこりはAmazonプレミアムで440円で映画をレンタルし、観ることにした。

 

そして、気付いたのは後半の重要性であった。この殺人事件のメインを目撃したのは、まさに最後の1時間だったのである。


www.youtube.com

 

あらすじ

 

映画の舞台は1959~1961年の台湾。中国で中国共産党との闘争に敗れた国民党が、蒋介石とともに何百万人も台湾に渡ってきた。主人公の小4(シャオス―)は14歳。彼の一家も上海から台湾に渡ってきた「外省人」である。もとから台湾に住んでいた人は「本省人」と言われる。外省人は、それまで台湾を統治した日本に代わって台湾を統治するアッパー層も多かった。

 

小4は五人兄弟。一番上の姉は英語も堪能、洋裁も得意で家族からはアメリカに留学するよういわれてる期待の星。兄さんの老2は学業に力も入らず、チンピラグループに入っている。二番目の姉はキリスト教信者。シャオスーの下には成長まっさかりで、いつも「スカートのボタンとれちゃった!」とさわいでる妹がいる。

 

シャオスーもはじめはふつうの夜間中学生だったが、徐々に台北の若者グループ217に加わり、ハニー率いる小公園というグループと抗争をするようになる。

 

シャオス―の友達は、飛機(フェイジー)、小猫王(プレスリー)こと王茂(ワンマオ)である。

 

小猫王は歌がうまく、ライブハウスに駆り出され、シャオス―のお姉さんにプレスリーの英語の歌詞を訳してもらっている。このころの、戦後のアメリカへのあこがれが見て取れる。

 

シャオス―のお父さんは、わりと思想主義者。こどもたちやシャオス―にたいしても、教育熱心で悪い点数をつけた教師に文句をつけにいく。

「信念を信じる勇気がなければ意味がない。」

「努力が未来を決める!」

きらきらの未来をシャオス―に説く。

 

ある日、シャオス―は小明(シャオミン)という女の子と学校の医務室で会う。医務室の先生に、足を怪我したこの子を教室まで送って行って!と頼まれるのだ。

 

しかし、実はシャオミンはシャオス―の敵方、「小公園」グループのリーダー「ハニー」の彼女だったのである。

 

こうして、二人は出会い、つきあうようになるが、シャオス―はシャオミンを愛したばかりに(崇高な愛か?)ある事件を起こしてしまうのだ、、

 

結論

魔性の女、小明(シャオミン)が心に残る。

小明(シャオミン)は、「わたしを追う人は多い。」といい、言い寄られることがおおい、とシャオス―に話す。

でも、それは自慢でもまったくなくとても悲しそうにも聞こえる。

 

シャオス―はシャオミンに最後に会ったたときに「僕だけが君を救うことができる」という。「助けるって?わたしを変えたいのね。結局みんな同じなんだわ。」

「わたしは変わらない。」

「この社会と同じようにね」

ここがこの映画のきもなんだろうな。

 

この映画の中でシャオミンはすこぶる魅力的だ。

 

すごい美人ではないかもしれないが頭がよくてチャーミング、色白でスラっとした容姿でスタスタ歩き、小気味いいこともいうし、そこしれない悲しみも抱えている。

 

 

でも、ほんとうはシャオミンは魔性の女なんかになりたくなかったかもしれないな。

 

中国から台湾に渡ってこないで地元にいれば、、

 

かよわい母だけでなく、経済的な支えになる父がいれば、、、

 

そうすれば、強い男になびく性質にはならなかったかもしれない。いわゆる根無し草のような。

 

住み込みをしていた金持ちの王さんの家から暇を出されたとき、この親娘はほんとにさびしそうな風情だった。

 

親戚の家にもどり親戚のお姉さんに抱きしめられたとき、

ほんとうは大人にあんなふうに優しくされたり、なぐさめてほしかったんだな~、と思った。(子どもに戻ったように、、)

 

彼女のお母さんも彼女を精神的に頼っており、「早くおとなになってね、シャオミン」といわれるのも14歳の女の子にとってはつらいだろうな、とツン、ときた。

 

シャオミン役の女の子は、この後映画に出演していない。(当時はアメリカに住んでいたらしく、監督が知り合いをつてにやっと探し出したそうだ)でも、この映画で、台湾の混沌と青春を演じ、私たちのこころに深くつきささったままである。

 

P.S.

王茂(プレスリーこと小猫王)が最後にカセットテープを差し入れするんだけど、大人がそれを受け取ったふりしてゴミ箱に捨てるんだ!(ひきょうなり!)プレスリーの思いを受け取ってやってくれ!!

 

吹奏楽の練習の場で、シャオス―がシャオミンに告白するシーン。「僕を信じてくれ!」「ずっと友達でいるよ」と力強くいったのは 良かったなア。(でも、これがあとあとの火種にもなるんだよなあ、、)

 

 

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こちら、早稲田松竹のチケットです。

 

ちなみに上映は2024.5.3までです。ご興味と体力あるかたにはぜひおすすめします!

 

ちなみにエドワード・ヤン監督の「エドワード・ヤンの恋愛時代」および「ヤンヤン・夏の思い出」も上映中です。

 

 

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